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厚さ9ミリのOA床材を発売 材質には塩化ビニールを使用 施工性が容易なセルフロック加工 施工費込みで平米1万円未満
1996.01.01 16:53
高まるオフィスOA化ニーズに伴い二重床業界では各社とも工夫を凝らした商品を開発、鎬を削っている。そのような中、厚さ僅か9.5ミリのOAフロアスタイルを開発した会社が現れた。注目の同社製品をレポートする。
日本テクノケーブルシステム(東京都豊島区・富澤賢社長)は、今年の6月に設立された、床材の販売及び施工業務などを手掛ける、設備工事会社。その同社が製品化して話題を集めているのが、厚さ1センチを切る、9.5ミリのOAフロア。同社が研究を重ね、平成3年には特許を申請、今年正式に許諾された事で、6月から本格的に販売を開始。
同社の製品「ケーブルタイル」は、50センチ四方の置敷タイプで、フロアタイルの床高が低く抑えられ、施工性が容易であるのが特徴。これまでの製品では、3センチ前後のものが一般的になりつつあるようだが、築年を経たビルは天囲が低い為、製品の厚みが低ければ低い程有利と言われている。こうした状況下、同社が開発した9.5ミリのOA床は、天囲高が2メートル50センチクラスのビルにも施工出来ると言う訳だ。
「当社のケーブルタイルは、施工後の床高アップは、2センチ未満に抑えることが可能です。また、セルフロック加工が行われているタイルカーペットを使用すれば、粘着剤を塗布する必要がありません」(富澤社長)。
「セルフロック加工」とは、カーペットの裏面に、あらかじめ粘着剤で塗布する、自己粘着仕様とのことで、タイルカーペットは、簡単に何度でも施工が出来るもの。同社では、このカーペットを扱う製造メーカー・三菱バーリントン(東京都中央区)との提携により、より施工性が高い製品がつくれたと言う。
また同製品は、施工費込みで平米1万円以内と低コスト。無論、膨大な配線収納には、難しい点もあるが、電話、電源などケーブルの規模により独立した配線計画が出来るので、オフィス施工には便利だ。