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噂のスクランブル 大型合併の影響か?銀行差押えが急増 3月初めから一勢にテナント側も不安顔
1995.05.15 17:32
ある売れっ子不動産コンサルタントの話では最近、ビルオーナーから「銀行が急に物件を差し押さえて来た」という類の相談が急増しているという。
この動き、3月初めを境に一勢に起こったものらしいが、聞けば中でも頻繁に名前が出てくるのが、例の超大型合併で世界一のユニバーサルバンクを作らんとしている某都市銀行だとか。都市銀行の中では不良債権額が少ないとされる同行だが、それでも合併相手との力関係の上からも「結婚前にはカラダをキレイに」ということからの駆け込みの動きのようだ。
またテナントからの問い合わせも多いとか。「ビルが競売にかけられた場合、保証金は戻ってくるのか。戻らない場合、賃料不払いで対抗できるのか」。
通常、競売でビルの所有者が替わっても、保証金については移転しない。このためアカウントが保証金を返してもらえない事態に陥るケースが多い。そこで保証金を賃料に充当したいとなる訳で、これも厳密にはテナント側からの請求はできないことになっているが、実際にはこの線で対応しているケースが多い。それにしてもオーナーにとっては前門のテナント、後門の銀行と言ったところか。