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三井不動産の生物多様性への取り組みが評価 「東京ミッドタウン日比谷」が「ABNIC」認証を取得

2025.10.20 11:19

 三井不動産(東京都中央区)は先月29日、「東京ミッドタウン日比谷」が「ABINC」認証を取得したと発表した。
 一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が運営する「ABINC」認証は、自然と人との共生を企業活動において促進することを目的に作られた認証制度。
 「ABINC」認証を取得した「東京ミッドタウン日比谷」は、竣工時から有する日比谷公園・皇居と連続した豊かな緑化環境に加え、生物多様性への配慮を強化する施策を積極的に行ったことが評価された。また同時に、「東京ミッドタウン(六本木)」も「自然共生サイト」に認定されたと発表した。
 「自然共生サイト」は、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域。2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30」の世界目標を実現する一環として、2025年度より「地域生物多様性増進法」に基づく法制度として運用が始まった。環境省・農林水産省・国土交通省の三省が共同で認定を行っている。
 「東京ミッドタウン(六本木)」の「ミッドタウン・ガーデン」では、従前地の生物多様性に配慮した植栽管理を継続してきた結果、「自然共生サイト」に認定された。認定された約1・38haの緑地は都心5区においては最大級となる。
 「東京ミッドタウン日比谷」において先月29日に現地ツアーが行われ、同施設内の施策を案内した。9階のテナント入居者が利用可能な「スカイガーデン」では、枝や石などの自然物を材料に作る生物たちの住処である「エコスタック」や、鳥の水浴びのための「バードバス」などを設置。6階の誰でも利用可能な「パークビューガーデン」では、くつろぐ人々の足元で鈴虫の声が聞こえていた。
 また施設内に、生きものの音声分析技術「KoeTurri(コエチュリー)」を活用した環境可視化システムを設置。先月1~14日の間に同施設を訪れた鳥の種類を分析したところ、18種類の鳥が訪れていたことがわかったという。
 サステナビリティ推進本部 サステナビリティ推進部の竹澤正浩氏は「『東京ミッドタウン』で見られる鳥25種類について、子どもにもわかりやすいようにひらがなを中心としたパンフレットを作成しまして、館内のインフォメーションカウンターなどで無料配布をしております。身近なところに鳥がいるんだということを、館内にお越しいただく皆様にご理解いただくといったことで、自然と触れ合う機会を提供させていただいております」と述べた。




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