週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

ADワークスグループ 地域戦略を支える人事採用施策 初のエリア採用を実施

2025.09.15 10:34

 ビル1棟の収益不動産事業や不動産の小口化事業等を展開するADワークスグループ(東京都千代田区)は、昨年12月に初のエリア採用を実施。当採用をきっかけに、今後はより積極的にエリア採用を行っていく。
 同社はグループ会社のエー・ディー・ワークス(東京都千代田区)を中心に、設立当初から国内収益不動産における取得・商品企画・販売事業などを展開。8年前からは不動産の小口化事業も開始し、双方の事業をメインに実績を重ねてきた。現在はグループで海外不動産事業やプロパティ・マネジメント事業なども展開。社員数はグループ全体でおよそ250名。拠点は東京と大阪、福岡に加えてロサンゼルスの4拠点。着実に社員数と事業規模を拡大してきた。
 昨今は事業拡大に伴い、新卒・中途共に採用活動にも注力している。ここ数年の新卒社員の採用数は10名前後。また昨年の中途社員の採用数は40名ほど。10年ほど前までは社員数も100名程度で、経験者である中途社員を中心に採用してきたが、同時並行で新卒社員の採用活動にも注力。新卒採用を継続してきた結果、現在は社員全体の4分の1が新卒社員となった。新卒採用活動は基本的に東京で開催しており、年によっては関西地方でも実施している。
 コーポレート部門 人事部の奥村洋介氏は「新卒社員は、グループ全体で一括採用した後、各事業部門、グループ会社のニーズや本人の適性などを鑑みて配属先を決めています。ちなみに2025年入社の新卒採用人数は11名で、うち5名が関西エリアでの採用です」と近況について述べた。
 中途採用では、事業計画に沿った採用計画を策定している。これまで、一棟再販事業の主な営業エリアとして拠点を置いている東京・大阪・福岡で採用をすすめてきたが、昨年12月に営業所のない愛知県へ移住予定の人材を「エリア採用」として初めて採用した。不動産小口化事業では、全国規模でクライアントを抱えている。東京本社のメンバーが各地域に足を運び営業活動を行ってきたが、地域ごとに拠点を構えて営業することも増やしていきたいと考えていることからエリア採用の実施に至った。現在同社では不動産小口化事業の注力エリアとして、愛知県と福岡県を挙げている。今回採用した人材は従前の不動産会社で小口化商品の営業経験があることから、不動産小口化事業における愛知県含む中部地方の営業担当として採用した。
 コーポレート部門 人事部の山崎怜美氏は「中途採用の社員にも教育カリキュラムがあり、不動産小口化事業を担う資産運用事業本部では、最初の1カ月は座学ベースの育成。その後は営業社員に同行し、学ぶ仕組みです。今回は、経験者であったため、3カ月めからは営業担当として自立し、単独での営業活動を始めています。不動産小口化商品の営業では、富裕層向け商品のディーラーや金融事業の経験も生かすことができるため、不動産業界未経験の方でも活躍できる環境です」と語った。
 今期は中途・新卒合わせて50名以上を採用予定。今後はリファラル採用やダイレクトリクルーティングにも注力していく。採用人数も増やしていく方針で、それに合わせて福利厚生の拡充やマネジメント層向け研修等の充実、社内の困りごと・課題抽出も行っていく方針だ。これらの取り組みによって、採用面強化とともに社員のエンゲージメントにもつなげていく。




週刊不動産経営編集部  YouTube