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国際不動産カレッジ第18期開講 インバウンド急増で「グローバル化」急務に 世界水準の不動産スペシャリストを育成へ
2025.09.15 10:29
グローバルで活躍できる不動産エージェントの育成を行う国際不動産カレッジ(東京都港区)が9月から第18期を開講した。
カレッジでは全米リアルター協会のCIPS(国際不動産スペシャリスト)、ABR(認定バイヤーズエージェント資格)の公認講座のほかに「国際不動産コンサルタント資格講座」や「米国不動産投資マスター資格講座」や「不動産英語塾」などを順次開講する。
主宰する杉浦隼城氏は開講以来、世界で活躍できる不動産エージェントの育成に努める。近年は観光インバウンドの増加とともに、海外からの投資流入も増加傾向で推移。直近も円安などが相まって、「欧米に限らず、アジアの広い地域から日本不動産への投資が増加傾向」だという。
一方、日本の不動産業界は国内での取引を中心にビジネスを展開してきたためグローバル化に遅れる。カレッジではこれらの講座を通じて、日本の不動産エージェントが世界で活躍できるよう、能力開発に努めている。
今期はこうした講座に加えてイベントも積極的に仕掛けていく。目玉となるのは、グローバルな不動産団体の設立だ。
米国に拠点を置く不動産業界団体・全米アジア不動産協会(AREAA)の商業取引営利部門の位置付けであるGREA(Global Real Estate Alliance)の日本支部「GREA JAPAN」が、このほど設立された。代表は杉浦隼城氏、副代表には渡邉ひとみ氏(パシ・コム代表取締役)が就任する。9月18日には設立記念セミナーを開催するとともに、11月25日には東京・表参道で立ち上げイベントを行う。
杉浦氏は「ホテルやコンドミニアムなどの商業不動産及び比較的規模の大きいプロジェクトを取り扱うエージェントや不動産会社の方がメンバーの中心になる」と説明する。国際不動産カレッジやJARECO(日米不動産協力機構)等外部組織との連携も進めていく構えだ。
10月11日には国際不動産カレッジが年に1度開催する「GREC AWARD2025」を会場とオンラインのハイブリッドで開催する。カレッジでは毎期、不動産英語を学ぶ講座を用意しており、不動産取引をグローバルで行える人材を育てる。アワードではそこで鍛えた英語力を生かして、参加者が英語でプレゼンテーションを行う。
また杉浦氏は「グローバル化と同時に、生産性向上も業界の課題だ」と指摘する。「不動産業界の一人あたりの売上は他業界に比べて高いが、これは1件の取引額が大きいことが要因になっている」とし、「DXなどの施策で生産性を改善できれば、より高めることができるはずだ」と強調する。
杉浦氏はその一環で7月からAIエージェント研究会を開始。9月25日には法人向けにAI活用のコンサルティングを行うKIZASHI(東京都渋谷区)の松岡義太郎氏を迎えて「AIエージェントで劇的に変わる不動産業務~今すぐ使えるAI不動産活用術を伝授!~」と題してセミナーを行う。場所は東京・市ヶ谷の武蔵野美術大学セミナースペース、時間は17時~18時15分。「AI活用は不動産仲介、売買等で企業の業務効率化に関わる重要な要素だ。セミナーでは不動産エージェントとAIエージェントを掛け合わせた最新の活用事例や、明日から現場で使える具体的なノウハウを紹介する」という。
いずれのセミナーも参加希望者は要申込。国際不動産カレッジの公式HPの「お問合せ」から参加したいセミナーに申し込むことができる。