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B.Tak campany コンクリートの劣化抑える高性能撥水剤
2025.08.25 11:44
B.Tak campany(名古屋市中村区)では、コンクリート構造物の表面に塗布することで、塩害や凍害などによる劣化の進行を遅らせることのできる高性能の撥水剤「サンハイドロック」を用いた建物の長寿命化を提案している。
日本は地震リスクが高いとされ、建物や構造物には高い安全性が求められているほか、沿岸地域では塩害、寒冷地では凍害など、立地条件に応じた劣化リスクが存在する。建設資材の専門商社・三商(名古屋市東区)が開発した「サンハイドロック」は、表面に撥水層を形成するシラン系と、コンクリート内部の空隙を閉塞する効果を持つケイ酸塩系の、2つの特徴を併せ持ったハイブリッド型の撥水剤。気温がマイナス20度の低温から60度の高温まで、様々な条件下でも安定して施工することが可能である。B.Tak campanyの田中拓寶社長は「特殊な技能は不要で、ローラーや刷毛、吹付機などで誰でも簡単に施工できる点も大きな特徴です。液剤はコンクリートの内部に含浸するため、塗布面の美観を損なうこともありません」と話す。
過酷な環境でも高い撥水性能を発揮することから、「サンハイドロック」はこれまで道路の橋脚などのコンクリート構造物で多くの実績を積み重ねてきた。また、豚を飼育するための豚舎の床面でコンクリートを用いる例が多く、劣化の進行が早いこうした場面でも「サンハイドロック」の優れた効果が発揮されるという。近年では自治体が保有する公共施設などの建築物でも施工事例が着実に増加しており、田中氏は「今後は民間のビル・マンションにも積極的に提案していきたいと考えております」と話す。
コンクリートの劣化は美観を損ねるだけでなく、表面のクラックから入り込んだ雨水などが内部の鉄筋を腐食させ、建物の安全性を脅かすことにもつながってしまう。気候変動に伴って建物の更なる安全性が求められている中、「サンハイドロック」は建物の長寿命化に貢献する心強い存在といえるだろう。