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リノベる 「中古マンション事情&トレンド解説会」を開催

2025.07.28 13:15

 リノベる(東京都港区)は先月26日、中古マンション事情とトレンドに関する解説会を開催した。
 不動産経済研究所のデータによると、2024年の首都圏の新築分譲マンションの販売戸数は2万3003戸と、3年連続で3万戸を割り込んだ。一方、東日本不動産流通機構のデータによると、中古マンションの成約数は3万7222戸と、新築を上回る状況が続く。リノベるでは、2024年はマンションの購入を考える際に新築と中古を並行検討する層が減少、中古マンション一択で検討するユーザーが増加したとする。中古マンションが住宅購入のスタンダードな選択肢となっている。
 築年数では、最も増加したのは築21~30年の物件。これは2000年前後に建てられた「マンション大量供給時代」のストックが充実していることを背景とする。平均リノベーション価格は2023年の1360万から2024年の1570万と15%の増加。背景には資材価格・工賃の上昇のほかに、価値観が合えば予算をかけたいという層が増えた。
 年齢層は若年化。背景にSNSの普及があるのではないかとみている。
 またユーザーの変化にSNSの普及を挙げ、「情報過多時代」「ロジカル消費」を挙げる。SNSがあるのが当たり前になり、博報堂生活総合研究所の調査によると、20代の40%が「情報はSNSから得ている」と回答。リノベるのSNS経由での認知も30%から60%へ増加。また、ロジカル消費とは考えた末に、価格が高くとも価値や根拠があれば購入することで、口コミやSNSの情報を重視。価値観の合う一般人や、フォロワー数が1万~10万人程度のインフルエンサーであるマイクロインフルエンサーから情報を得ている。
 ホームソリューション本部デザインソリューション部デザインソリューション課課長の本多史弥氏は、リノベるの「住まいづくりトレンド」として「脱リノベ感」、「脱間取りの常識」などを挙げる。
 これまでの節のあるフローリングや躯体そのままといったリノベ感が薄れ、シンプルですっきりしたミニマルな住まいが増加。これはファッション初のトレンド「静かなぜいたく」が、他業界にも広がりをみせている。精神的な充足感や本質的な価値を重視する現在の消費者の価値観を反映しているとする。
 間取りについても、自由な価値観がさらに浸透。洗面を廊下に設置したりや、リビングに置くなど、多用途・多様化が進んでいる。




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