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ぴあ 千代田区内5ヶ所の本社オフィスを集約 興和36ビル1700坪を一括賃貸

1995.05.15 17:28

 ぴあ(矢内廣社長)は5月1日付で、東京都千代田区内の5ヶ所に分散していた本社オフィスを一本化、興和36ビルへ移転した。興和36ビルでは1階から6階まで全フロア約1700坪を一括賃貸。移転前の延床面積約1000坪に較べ60%強の増床となった。
 同社はこれまで本社ビルとして一棟賃貸していた半蔵門センタービルへ82年に入居。その後、84年に「チケットぴあ」がスタートし、予約センターの開設などに伴い急速に人員を増強。「年に10~20人は常時採用。ピーク時の89、90年頃には30~50人を新規採用していた」(広報部・小林覚主任)。
 こうした人員増加に伴い同社は、平河町ビル、住友半蔵門ビル、平山平河町ビル、柳下フラッツと次々とビルを借り増し。しかしその一方で、「人事異動のたびに引越し費用が膨らむ一方、ビルが分れたことで出版、流通部門の連動性が保ちにくくなった」(小林氏)といったことから、88年頃より、その後の新規大量採用計画もにらみ社内でビル一本化の構想が浮上していた。
 ぴあのこうした意向は大手ビルオーナー会社、仲介会社などにもオファーされ、市場では少なくとも5年前頃から、「ぴあのオーダーは1200坪、共益費込みで2万5000円」といった条件で水面下の争奪戦が繰り広げられていた。
 ぴあによれば結果的に今回の移転の決め手となったのは、①管轄電話局が移転前と同じ九段局内なので、広く浸透しているチケット予約電話番号を変える必要がない、②ワンフロアーが約300坪と大面積、③社内LANなどの敷設が可能、などが主な要因。また賃料についても前述の金額をさらに下回ったものと見られ、「希望に沿う物件で、待った甲斐があった」(小林氏)としている。




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