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フジテック 機械式駐車設備販売を開始 建物・道路・公園など地下空間を有効利用
1996.01.15 16:38
都心部では、土地価格の鎮静化から、ビルの売却など、大型取り引きが顕在化している。そうした中、より土地の有効活用を目指し、各社とも工夫を凝らした商品を開発し始めた。中でも、フジテックが開発した地下空間を生かした大規模な機械式駐車設備は、その内容規模から、注目を集めている。その設備について、レポートする。
フジテック(本社大阪府茨木市・内山正太郎社長)では、昨年末から地下空間を生かした、大規模な機械式駐車設備「ジオテクノス・パーク」の本格的販売を開始した。
今回、同社が開発した商品は、建物・道路・公園などの地下を有効利用し、エレベーターと、走行台数をコンピュータ制御で稼働させながら、車を格納するもので、基本ユニットの組み合わせにより、数百代から、数千台程度の駐車が可能になる、画期的なもの。
基本ユニットでは、入庫専用と出庫専用のエレベーターを各2台設置するが、このエレベーターは昇降速度毎分120メートルを実現。走行速度毎分300メートルの走行台車が同時並行して稼働する為、迅速な入出庫処理が可能になった。
また基本ユニットの平面積は、自走式に比べ約70%と、これまでの約3分の1で設置できる。さらに、収容台数204台のユニットでは、入庫時・出庫時の平均待ち時間は、約26秒と、業界初の性能と、規模を備えている。
販売価格は、入庫専用エレベーター、出庫専用エレベーター、走行台車、および駐車室を基本ユニットとして(最大主要台数240台)約8億円程度。
このジオテクノス・パークは、フジテックと同社の子会社フジテックフロンティア(本社兵庫県・栗岡辰巳社長)の協同開発によって商品化されたもの。同社は、今年度約20億円の受注を見込んでいる。