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第一恒産 六本木三河台ビルで竣工内覧会 好立地、耐震対策など高グレード勘案し賃料保証方式で管理・運営

1996.03.01 15:17

 大手貸ビル仲介の第一恒産(須藤鷹千代社長)では、2月15、16日の両日、東京・港区の「六本木三河台ビル」で竣工内覧会を開催した。
 同ビルは地下鉄日比谷線六本木駅徒歩2分に建つ9階建て、延床630坪の新築オフィスビル。1,2階は店舗可で、3~9階の貸室面積は60坪となっており、上層階の両側の窓からは、赤坂、紙屋町方面のビル街が一望に見渡せる。
 2.6mの天井高、鍵持ち歩き不用のセキュリティシステム、さらに耐震性に配慮したコンクリート充填の鋼管柱の採用など、仕様の面でもハイグレードとなっている。
 この物件は清水建設が施工し、第一恒産が貸主代理としてビルオーナーに対して賃料保証を行っている点も特徴だ。厳しい市況下で業者の間では「保証」を避ける傾向があるが、同社としては物件が好立地、高グレードなことや、事業コンサルと担当した三菱地所パートナー事業部との従来からの強いつながりも考慮して、今回の保証に踏み切ったようだ。
 このため第一恒産側も企画段階からビル作りに関わり、例えば水回りの配置や空調方式などの点で仲介現場からの集客を考えたアドバイスを加えている。
 同社では今後もこうした形で、賃料保証やサブリースを事業の一つの柱にしていきたいとしている。

今後はサブリースを事業の柱の一つに 第一恒産常務 北橋健吉氏
 市況低迷でサブリース等から撤退するところが多いようですが、当社ではむしろビルオーナーとの共同事業という考え方で積極的にサブリース・賃料保証を事業の一つの柱にしていきたいと考えています。当社の場合、仲介や鑑定の仕事を通じて、信託銀行など金融機関、大手ゼネコン、三菱地所さんをはじめとする大手不動産会社と様々な紹介ルートを持っているのが強みです。両者にメリットのある形で固めの線を設定し、年に数棟受託していくつもりです。
 今回は企画段階から参加し、外階段の設置を変えたり、マグネットキーによるセキュリティなど、仲介現場からの意見も随所に反映して頂きました。




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