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―ソリッドスクエア自慢の施設― 川崎市民の憩いの場として賑わうアトリウム
1996.06.01 10:27
明治製菓と第一生命の共同事業として95年、川崎駅そばに誕生したソリッドスクエア。高さ100mのツインタワー、延床5万坪という大スペースに、「地縁企業」である東芝やNKKの関連会社などが入居している。
こうしたテナントのみならず、地元市民の間でも竣工当初から話題なのが、東名ガラスの開閉式ドーム天井を持つ建物前面のアトリウムだ。
まず驚くのは3階分程の高さを持つ広大な空間を中心に直径27mもの巨大な水たまり(大水盤)が設けられていること。
なんでもこのアトリウムの発想の原点はローマのパンテオンで、都市の公共空間とオフィスの私的空間をつなぐ半公共的な性格を持たせることを目指したという。
なるほど、このアトリウムに入ると半透明ガラスを通して空や雲、太陽の移ろいがしっかりと感じられる。ドームが開放されている時には風が水面にさざ波を作り、雨が降ると無数の水の輪が広がる。まるで室内に居ながら屋外にいるような錯覚を抱いてします。
こうした不思議に和やかな空間に引き寄せられるように、水回りにいくつも配された木のベンチには、付近のサラリーマンやOL、学生、地元住民などの姿が絶えない。