週刊ビル経営ビルモール

週刊ビル経営ビルモール


☆不動産業界トピックス2018年8月6日
▼日本ビルメンロボット協議会設立 現場での普及目指す
 日本企業に影を落とす人材不足。各業界ではそれを解消しようとロボットなどの活用が進む。労働集約型ビジネスのひとつであるビル管理業界でもロボット活用の機運が高まる。そのなかで先般、ビルメンテナンス現場でのロボット活用を推進していく業界団体が設立された。
 建機レンタル最大手のアクティオ(東京都中央区)をはじめ業務用清掃・検査ロボットメーカー14社が会員となり設立された日本ビルメンロボット協議会(東京都中央区)。これまで「ビルメンテナンスロボット普及促進コンソーシアム」として活動を行い、ビルメンテナンス会社を対象にして体験会などを開催してきた。昨年12月にはアクティオが日本初となる「ビルメンテナンスロボット普及促進センター」を開設。また同社がこれまで展開してきた「レンサルティング」サービスを生かしてのビルメンロボット普及にも取り組む。「レンサルティング」サービスでは、機器レンタルと並行して機器活用のノウハウや知識をサポートするコンサルティングを同時に提供するもの。初めて導入する企業にとっても導入しやすい環境を整備している。
 今回の日本ビルメンロボット協議会は、これらの活動の更なる強化をはかるため、従来のコンソーシアムを格上げする形で設立された。
 アクティオ上席執行役員で、日本ビルメンロボット協議会会長を務める糸賀浩延氏はビルメンテナンス業界でのロボット活用について「2〜3年前よりビルメンロボットの活用が本格的に始まっているが、まだまだ活用ケースは少ない。ロボットの性能は年々改善されており、人材不足へのソリューションとして有効であり、今後、普及スピードは速まっていくのでは」と期待を見せる。
 実際に人材不足への危機感は高い。
 2018年の新成人は123万人。8年連続で前年比を1%下回る数字だ。加えて特殊出生率は1・43で、出生数は過去最低となっている。日本の人口減少トレンドは現状、底が見えない状態だ。
 このなかで全国ビルメンテンス協会(東京都荒川区)は「ビルクリーニング外国人技能実習制度」を2016年から導入している。活用企業は多いものの、3年間に限定されていることがネックとなっている。基本的な技能を学んで「これから」という時期に帰国することになる。ビルメンテナンス会社にとって利便性の高い制度となっているものの、長期的なサイクルのなかで人材を生かすことができないことはネックとなっている。
 糸賀氏はさらに「オーナーの危機感も高い」と指摘し次のように続けた。
 「2018年にインフルエンザが流行した際に清掃員が不足する事態が起きました。日常清掃が十分にできないと、ビルの価値にも影響が出てくるため、オーナーにとっても課題となっています。そのため協議会の前身時代から大手ビルオーナーから問い合わせが来るケースが多くありました」
 現在の清掃ロボットはオフィスビルの床が中心となっているが、ホテルやマンションなどへの展開や、床以外の窓などについても活用ニーズが高い。「協議会内にはワーキンググループを立ち上げて、会員企業同士で知見を持ちあい普及に努めていきます。アクティオとしてもこれまでの事業を生かしてロボットをレンタルにて提供し、ロボットの普及の一役を担っていきたい」(糸賀氏)。
 人材不足にあえぐビルメンテナンス業界。その苦境は新しいパラダイムチェンジを生みそうだ。



◆「週刊ビル経営」年間購読のお申込はこちらから◆