◎改修ポイント
既存トランクルームの「倉庫」部分の構造を生かして複合機能を有する執務空間へリノベーション。プロ仕様のキッチンスペースが利用者の交流を促進させる

◎所在地
東京都港区高輪2-16-4

◎建物規模
地上5階

◎延床面積
約1000㎡

◎所有者
寺田倉庫
 平成23年に竣工したトランクルームを改装。1階が駐車場、2階をキッチンとコワーキングスペース、3階をレンタルオフィスとし、4~5階はトランクルームとなっている。施設コンセプトが最も顕著に表れているのが2階部分だ。コワーキングスペースには約120㎡を割き、最大56席のフリーアドレスデスクを用意。スタッフも常駐(平日9時~17時30分)している。コワーキングスペースとガラス戸で隔たれたスペースに設けられているのが、プロ仕様の調理機器を完備したキッチンだ。キッチンは独立した大小2つのスペースからなり、面積は合わせて80㎡にもおよぶ。大きなキッチンはスツールを配した対面カウンター式とし、大出力のコンロを2カ所に備えている。20名程度が利用できる空間で、料理教室や食事会など多様な使い方を想定。小さい方はレストランの厨房のようなシンプルな設えとし、コンロは1カ所。こちらの利用人数は5~10名ほどを想定しており、飲食ビジネスにおける新メニューの試作といったクローズドな用途にも使えそうだ。いずれも調理器具と食器が一通りそろっており、大きなキッチンにはエスプレッソマシンまで備えている。キッチンはコワーキングスペース利用者やレンタルオフィスの入居者が有料で利用できるほか、コワーキングスペースと合わせて貸し切ることもでき、パーティー形式のイベントにも活用できる。
 室内は柱が多いが、これらの柱はコンテナのフレーム。実は貨物用のコンテナを積み重ねて建てられたビルである。運営母体が倉庫会社ということもあって倉庫風の建物にはこだわりがあったようだが、これはリノベーションにあたって他にはない味となって生きることとなった。コンテナルームを擁する「現役の倉庫」という一面も持つ。貨物用コンテナを積み重ねたという建築法もむしろアドバンテージとなっている。
(週刊ビル経営2016年6月13日号掲載)
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▼コンテナを組み合わせた構造やキッチンスペースなどの特徴