◎所在地
東京都千代田区神田錦町3-11

◎所有形態
個人所有

◎備考
2階をコワーキングスペースにしてイベントや交流の場に

  都営新宿線・三田線、東京メトロ半蔵門線「神保町」駅から徒歩5分ほどの場所に立地する「弦本ビル」。オーナーの弦本卓也氏は平成27年3月、弱冠27歳で同ビルを購入した。弦本氏はその理由を「1階に飲食、2~3階が事務所で4~5階が和室と食・住・職が揃っているビルで面白さを感じたから」と明かす。昭和54年竣工で、購入当時で築30年以上が経過。通常賃貸では厳しさも出てくる年数であるが、どのような再生を辿ってきたか。
 「購入した当初、1階部分のみテナントが入居していて他は空の状態だったので、テナント探しに奔走しました。そのなかで知り合ったのが現在2階に入居する『TOKYO PRODUCERS HOUSE(通称:プロハ)』(東京都千代田区)でした」(弦本氏)  ただ築年数の経過が示しているように、ビルの内装は弦本氏曰く「昭和のビルという感じでした」。そこで、2階フロアを使用するにあたって原状回復義務を無くして自由な改装を行うことを可能にした。前オーナーの時には麻雀店として使用されていたフロアを電気配線部分を除いて、天井・壁などの改装をDIYで行うことになった。建設業者などではない、20代のプロハの会員たちが工具を用いて以前の内装を解体していく様子を思い出して弦本氏は「不安もよぎりました」と苦笑いする。
 改装工事は7日間という期間で昨年11月に完成。昭和らしさが残っていたフロアは黒を基調としたモダンな空間に生まれ変わって、若き起業家たちが集まるに相応しい場所となった。現在ではイベントスペース・交流の場として稼働しており、20代、30代の若者を中心してコミュニティを形成している。それに加えて今年の8月には「弦本ビル」と「プロハ」の軌跡や入居者の物語を追った書籍『PRODUCERS』が出版された。
 新しいビル経営の風が吹き込んでいる。

(週刊ビル経営2016年9月12日号掲載)
弦本ビル 「弦本ビル」
▼オーナーと入居者、来訪者が一体になりビルをつくる